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発達障害への取り組みについて

 

 「発達障害」はうつ病等の精神疾患、いじめ・児童虐待、不登校・ニート・ひきこもり、就職・就労困難等、様々な社会問題の一因であることが明らかになりつつありますが、「大人の発達障害」に対する支援は、その乳幼児・児童への支援に比べ、研究的取組みも支援体制整備も大きく遅れています。

 

 それは、発達障害という「見えにくい障害」「理解しにくい障害」を如何に明確化して診断に繋げ、専門的支援に繋げて行くかということに、非常に困難を伴うことが大きな理由と思われます。
 
 もちろん、発達障害的な傾向が強いからと言っても、社会的にやって行ければ敢えて「障害」という必要はありませんし、一見その傾向が薄そうであっても、様々な生き辛さを抱えておられる方々もたくさんおられます。障害か個性かといった線引きは一概に出来るものではありません。
 
 というよりも、ある意味「極普通に」特に目立つこともなく、でも何か本人も周囲も、色々違和感や不適応感を感じながら、多少「個性的」でありながらも、「普通」に暮らしておられる方々もたくさんおられます。特に、最近は、ASDは男性が圧倒的に多いとは言い切れず、女性の場合、本人も周囲も気が付きにくい傾向があることがわかってきています。
 
 こうした診断閾値下のサブクリニカルな人への特性理解的な視点や認識は、今後精神科臨床の領域においても、様々な精神疾患への治療的介入や再発予防等を考えて行くうえで、ますます重要になってくるとも言われています。 
 
  我々は、多くの発達障害児者の方々をはじめ、いわゆる「グレーゾーン」の方、何百人もの方々とお会いしてまいりました。その中には、うつ病や社交不安障害、さらには統合失調症と診断されていた方もおられましたが、ベースに発達障害があることを明確化し、精神科医のセカンドオピニオンを得られて、驚くほどの大幅な減薬により、随分雰囲気が変わられた方もおられました。
 
 しかし、我々がお会いしたほとんどの方は、精神保健福祉サービスを受けるまでのニーズはないものの、就職・就労・就業困難で行き詰っておられたり、その他多くの生きづらさを抱えておられる方が大半でした。
 
 そうした、発達障害者の方々、またグレーゾーンの方々を、それぞれの最善の利益に繋げて行くこと。場合によっては、手帳取得や制度利用に繋げて行くことが必要な方もおられるし、自分自身の自己理解(特性理解)を深めて、自ら環境との調整について工夫したり助力を得たりして、生きづらさを軽減してゆく・・・といった形で何とか乗り越えていかれる方々など、人は、さまざまです。
 
 また、発達障害者支援を推進することは、社会問題の軽減や発達障害者の能力の社会的還元にもつながり、それは、企業のCSRの達成、生産性の向上、地域の人的資源の活用、地域の活性化に繋げる支援ともなり得るものであり、地域社会にとっても、極めて重要な課題と言えます。  
 
 我々は、行政機関にも研究機関にも、他の民間会社でも、どこにもできない支援を展開できるだけの、発達障害に関する心理アセスメント力や相談対応力・ケースワーク力を有しており、より専門的に発達障害児者支援を推進してゆく一翼になってまいりたいと考えております。
 
 大人にとっての支援の必要性は、何よりも就労に関する支援です。成人期発達障害を明確化し、就労支援に繋げる取組みを重ねて来た我々にとっては、児童の療育や教育の領域にも、そうした「大人になってからのASD者の生き方や働き方」を視野に入れたキャリア発達支援の取り組みが子どもの時代から必要だと我々は考えています。
 
  我々は、まずはグレーゾーンと言われる方々への支援から始め、就職就労困難な発達障害者の方々への就職就労支援、また就職就労に繋げるための訓練などの取り組みを広げていきたいと考えています。
 
 そして、大人になってからではなく、大人になって社会に出て行く時に本当に何が必要か…という視点からの、子どものキャリア発達支援の取り組みを、社会で生きる・社会で働く・社会で活躍する発達障害者へと成長して行けるように、大人への取り組みを通じて得たノウハウを生かし、専門的なカリキュラムとスタッフを擁した児童デイサービスへの取り組みも検討し、児童から大人へ・・・切れ目のない支援体制を構築していきたいと願っています。
 
 

 

 

   Be a Light 

 for every ASD !!

 

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